大分県公立高校入試の傾向と対策について徹底的にまとめました。
受験者の皆さんの参考に少しでもなれば嬉しいです!(^^)!
大分県公立高校入試の攻略レポート
入試全体の難易度は「やや難」です。簡単な問題をいかにミスせずもぎ取るかが勝負の決め所になるでしょう。
上野丘・大分舞鶴高校を目指すのであれば80%は得点率が欲しいところです。
近年は「表・グラフなどの資料」や記述に関する問題が増加傾向にあります。
理科 | 全分野から出題されるため、苦手分野がある人にとってはリスキー。中学で学んだ内容はすべて習得しておく必要があります。 |
---|---|
英語 | ライバルに差を付けるには「ライティング(英作能力)」と「速読力」が必要です。特に英作文は全国屈指の難しさを誇ります。 |
国語 | 「論説・小説・古典」には参考資料がセットで掲載されており全体の文量が多くなっています。過去問演習を通して問題パターンに慣れておくのが賢明です。 |
社会 | 地理は資料問題、歴史は用語問題、公民は記述問題が中心となっています。分野別に抑えるべき要点が違います。 |
数学 | 最も対策しやすい科目。出題される分野がほぼ決まっています。特定分野を重点的に対策しておけば力強いでしょう。 |
近年の入試内容になにか変化はあるか?
際立った変化は特にありません。強いて挙げるならば理社が少し変化しています。
理科は2021年度入試より1大問1分野の形式が崩れ、1つの大問に複数の分野が出る様になりました。
社会は2020年度より地理,歴史,公民の融合問題が出される様になりました。
理社の変化を通して言える事はより分野横断的になりつつあるという事でしょう。
理科の攻略ポイント
- 試験時間:50分
- 満点:60点
物理・化学・生物・地学から大問が1題ずつ出題されます。
また大問5の小問集合は複数の分野から出題され、配点も最も高くなっています。
結果的にあらゆる分野からの出題を想定しなければなりません。網羅的に学習しておくことは必須です。

2022年度の振り返り
平均点は33.9点であり、過去5年間で最も高い結果でした。
難度 | 難度 | 時間配分 |
---|---|---|
【大問1】生物と環境 | 標準 | 6~8分 |
【大問2】光・音 | 標準 | 8~10分 |
【大問3】火山・地震・地層 | 易 | 6~8分 |
【大問4】化学変化と物質の質量 | 標準 | 8~10分 |
【大問5】小問集合 | 標準 | 12~14分 |
大問2「光・音」大問3「火山・地震・地層」など1つの大問に複数分野がまたがる問題が見受けられました。
昨年度までと違い、これまで以上に広い分野から出題される傾向でした。
英語の攻略ポイント
- 試験時間:50分
- 満点:60点
リスニング・短文読解・英作文・長文読解からなる構成です。
大問3の英作文が難しいのが特徴です。また、大問3に限らず長文読解などでも英作文を書かせる設問が出ています。
最後の大問4・5の長文読解は英文量が多く、設問まで英文で書かれています。正確な訳に加えて、英文を早く読み進める力が問われています。

2022年度の振り返り
平均点は25.8点でした。全体的な難易度としては「難」レベルでしょう。
難度 | 難度 | 時間配分 |
---|---|---|
【大問1】リスニング | 難 | 約13分 |
【大問2】英文読解 | 標準 | 6~8分 |
【大問3】英作文 | やや難 | 6~8分 |
【大問4】長文読解 | 標準 | 8~10分 |
【大問5】長文読解 | 標準 | 8~10分 |
過去5年間で構成は全く変わっておりません。逆を言えば、過去問演習が大いに役立つと言えるでしょう。
傾向としては、徐々に資料問題が増えている印象を受けます。リスニングや長文読解など全体的に表・グラフが増えているので要注意です。
国語の攻略ポイント
- 試験時間:50分
- 満点:60点
国語常識・論説文・小説文・古典漢文・条件作文からなる構成です。
例年、この構成は変わっていません。論説文・小説文・古典において参考資料が多いのが最大の特徴です。
参考資料とは「文章についての生徒同士の会話」「文章の要約図」などの事です。
参考資料が大きなヒントになるので、国語を不得手としている人にとっては大きな手助けとなるでしょう。
また、大問4は古典・漢文が2年に1回のペースで出題されています。

2022年度の振り返り
平均点は29.8点でした。高くも低くもない標準的な点数だと思われます。
分野・単元 | 難度 | 時間配分 |
---|---|---|
【大問1】漢字・短文 | 標準 | 5~6分 |
【大問2】小説文 | 標準 | 10~13分 |
【大問3】論説文 | 標準 | 10~13分 |
【大問4】古典 | やや難 | 8~10分 |
【大問5】条件作文 | 標準 | 5~7分 |
出題分野は例年の傾向とほとんど変わりませんでした。
大問4は古典のみでしたので、2022年度入試では「漢文」の出題確率が上がると思われます。
社会の攻略ポイント
- 試験時間:50分
- 満点:60点
「地理」「歴史」「公民」からバランスよく出題されています。表・グラフなどの資料を活用した問題が非常に多く、用語問題は歴史を除けばほとんどありません。公民は記述問題が多く、2021年度入試では3題も出題されました。資料を読み解く情報処理能力や設問に対して論理的に回答する記述力が問われる傾向となっています。

2022年度の振り返り
平均点は35.1点であり、過去5年間で最も高い結果でした。
難度 | 時間配分 | 必答問題 |
---|---|---|
【大問1】地理 | 易 | 8~10分 |
【大問2】歴史,公民 | 標準 | 8~10分 |
【大問3】公民 | 標準 | 10~12分 |
【大問4】地理,歴史,公民 | 標準 | 10~12分 |
2019年度までは分野別に大問が設けられていましたが、2021年度入試にかけて地理,歴史,公民の複合問題が一般的になりました。
数学の攻略ポイント
- 試験時間:50分
- 満点:60点
「小問集合」「関数」「空間図形」「平面図形」が必ず出される分野です。
また、「資料の整理」「一次関数」「規則性」「確率」についても超頻出の分野です。
出題される分野が決まっているので、該当単元を重点的に学習しておくことで、ある程度カバーできると思われます。
-320x180.png)
2022年度の振り返り
平均点は33点であり、過去5年間で最も高い結果となりました。
分野・単元 | 難度 | 時間配分 |
---|---|---|
【大問1】小問集合 | 易 | 6~9分 |
【大問2】関数(グラフ) | 標準 | 6~8分 |
【大問3】資料の整理・一次関数 | 易 | 5~8分 |
【大問4】数の規則性 | 標準 | 5~8分 |
【大問5】空間図形 | 標準 | 5~7分 |
【大問6】平面図形 | 標準 | 6~8分 |
出題分野は例年の傾向とほとんど変わりませんでした。
新傾向としてはこれまで「資料の整理・確率」がセットで出されてきましたが、当年度では「資料の整理・一次関数」となっていました。
2022年度の試験スケジュール・時間割
令和4年度の大分県公立高校入試のスケジュールはすでに発表されています。
願書出願期間:令和3年2月14日~2月18日
志願変更期間:令和3年2月21日~2月25日
試験日:令和3年3月8日・9日
合格発表:令和3年3月11日
※参考:令和4年度大分県立高等学校入学者選抜の主な日程 [PDFファイル/83KB]
まだ発表されていないので2021年度の入試時間割を参考にしましょう。
試験時間 | 試験時間 | 次までの休み時間 | |
理科 | 9:30~10:20 | 50分 | 30分 |
英語 | 10:50~11:40 | 50分 | 60分 |
国語 | 12:40~13:30 | 50分 | 30分 |
社会 | 14:00~14:50 | 50分 | 30分 |
数学 | 15:20~16:10 | 50分 | 30分 |
5教科の試験はすべて1日で実施されます。
各教科の休み時間も30分以上と非常に長い事が分かりますね。
学力検査・内申点の計算方法
大分県公立高校入試は点数が「学力検査」と「内申点」に大きく分かれます。
この2つの点数を基準にして得点を決定します。
学力検査の点数
国数英社理の5教科で各60点満点。
合計得点は300点となります。
内申点の計算
内申点は「国・数・英・社・理の5教科」と「保体・音楽・技術・家庭科の4科目」の計9科目ごとに5段階評価で付けられます。
特に、「保体・音楽・技術・家庭科の4科目」は点数が2倍になります。
内申点は中学1・2年生で65点満点、中学3年生で130点満点です。
各科目の内訳は下記の通りです。
国語 | 数学 | 英語 | 社会 | 理科 | 保体 | 音楽 | 技術 | 家庭科 | |
中1 | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 | 10 | 10 | 10 | 10 |
中2 | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 | 10 | 10 | 10 | 10 |
中3 | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 | 20 | 20 | 20 | 20 |
合計 | 20 | 20 | 20 | 20 | 20 | 40 | 40 | 40 | 40 |
全教科合計260点満点
こうしてみると、非常に点数が高いと感じる方もいるかもしれません。
しかし内申点はあくまで参考資料。実際にどのぐらい点数として加算されるかは学校によって違います。
大分では「内申点3割、入試7割」の配点だと言われていますが、極端な話「入試9割」の様な状況もあり得るということです。
大分県立入試の難易度・平均点
大分県公立入試の難易度は「やや難」と言えるでしょう。
2021年度 | 2020年度 | 2019年度 | 2018年度 | 2017年度 | |
理科 | 33.9 | 31.4 | 31.8 | 27.5 | 26.4 |
英語 | 25.8 | 34.9 | 31.0 | 26.9 | 30.1 |
国語 | 29.8 | 29.1 | 32.2 | 25.7 | 34.9 |
社会 | 35.1 | 26.9 | 30.8 | 33.0 | 32.8 |
数学 | 33.0 | 31.9 | 24.7 | 23.8 | 28.4 |
平均点合計 | 157.5 | 154 | 150.5 | 136.8 | 152.6 |
得点率 | 52.5% | 51.3% | 50.1% | 45.6% | 50.8% |
結果的に毎年の平均得点率は50%前後となっています。
多少のブレはあるにせよ、5教科の平均点も毎年50%程度です。参考までに隣県の福岡県の平均得点率が55%程度ですので、やや難しめと言えるでしょう。
(もちろん年度によって違いますが)全体的に資料・記述問題が多いからだと思います。
これらは知識があるからと言って必ずしも解けるわけではありません。かと言って塾や学校ではあまり時間をかけて扱いません。
純粋に個人の思考力を試している点で対策がしづらいと言えるでしょう。