公立高校入試

2022年度「大分県立入試:国語」対策に向けた学習方法

大分県立入試の国語について過去問を参考にして、傾向分析・取り組むべき学習方法をお伝えしていきます。

大分県立入試【国語】過去5年間の出題内容

論説文・小説文・古典・条件作文からなる一般的な構成です。

2021年度2020年度2019年度2018年度2017年度
大問1(10)漢字・短文漢字・短文漢字・短文漢字・短文漢字・短文
大問2(15)小説文小説文小説文小説文小説文
大問3(15)論説文論説文論説文論説文論説文
大問4(10)古典古典・漢文古典古典・漢文古典
大問5(10)条件作文条件作文条件作文条件作文条件作文

過去5年間の平均点は、受験者平均点は29.58点でした。

各年度の平均点
  • 令和2年度 29.1 点
  • 平成 31 年度 32.2 点
  • 平成 30 年度 25.7 点
  • 平成 29 年度 34.9 点
  • 平成 28 年度 26.0 点

大分県立入試【国語】の大問別攻略方法

全体の特徴

最大の特徴は参考資料の多さです。

例えば「論説文・小説文・古典」では文章とは別に内容の”総評”や”要約”が設けられています。

一見、文章量が多く感じますが、問題を解く手助けにもなりますので大いに活用しましょう。

大問1:漢字・短文読解(配点10点)

難易度標準
時間配分3~5分
目安点数8点以上/10点

漢字・短文読解の傾向

漢字の読み書きが必ず5点分出題されます。

漢字の難易度は決して簡単ではなく、宣誓(2021年度)、頒布(2020年度)など難しい語句も出題されています。

短文では「対話文」や「手紙」形式の短い文章が出され、内容・国語常識を問う設問が出されています。

漢字・短文読解の対策

漢字は漢検準2級程度の実力があればほぼ問題ないと思われます。

短文は一部に敬語・文法など国語常識を問う問題が出題されています。

他の問題は極めて平易な設問なので文章をそのまま読解すれば正答可能かと思われます。

大問2:小説文(配点15点)

難易度標準
時間配分13分
目安点数11点以上/15点

小説文の傾向

小説は「水を縫う(2020年)」「部長会議はじまります(2019年)」「ぼくたちのP(2018年)」など該当年に出版された現代小説から出題されています。

2021年2020年2019年
記号問題5点4点3点
抜き出し問題7点3点5点
記述問題3点8点7点

記述と抜き出し問題で10点ほど出題されています。

記述問題は30字程度の字数であり、標準的な水準と言えるでしょう。

小説文の対策

最大のヒントは設問中に設けられている「学生同士の感想談」です。

感想談では、小説の内容について学生が意見を交わし合っており、談話中で「空所・下線説明」に関する問題も組まれています。

対話文なので下線や空所前後の内容を読めば大きな手助けとなります。

例えば特定の表現についての問題では、会話内に「この表現は決して優柔不断な状態を指していないと思います。」などのヒントが書かれています。

大問3:論説文(配点15点)

難易度標準
時間配分13分
目安点数11点以上/15点

論説文の傾向

論説文は「ローカル論(2021年)」「農業論(2020年)」「人類論(2019年)」など幅広いジャンルから出題されています。

直感としては、大分県独自の地域課題(産業など)に絡んだ単元から出題されている印象を受けます。

2021年2020年2019年
記号問題6点6点3点
抜き出し問題5点4点5点
記述問題4点5点7点

配点は記号問題、抜き出し問題、記述問題で大きく変動します。

気になる記述問題ですが、字数は30字程度の設問もあれば10字ほどの問題もあります。

論説文の対策

論説文の問題中に「ノート」という形で序論~結論まで論説文全体についてまとめられています。

論説文を読む前に軽く一読するだけで文章が非常に読みやすくなるでしょう。

全体のまとめノートは毎年あるわけではなく、2020年度入試は一部しかありませんでした。

大問4:古典・漢文(配点10点)

難易度やや難
時間配分8分
目安点数8点以上/10点

古典・漢文の傾向

大問4は古典・漢文です。漢文はおよそ2年に1回のペースで出題されます。

それぞれの出題ジャンルは以下の通りです。

2021年2020年2019年2018年2017年
古典浮世草子説話集類書歌物語仮名草子
漢文論語漢詩

古典は見ての通り色々なジャンルから出題されており、統一されていません。

「塵袋」や「続古事談」などマイナーな文章からも出されています。

文量は標準的で、古典・漢文合わせてわずか10行程度しかありません。

古典・漢文の対策

古典のみの文章では必ず「現代かなづかい」の問題が1題出されています。

漢文が出題された際は「書き下し文・返り点・送り仮名」の問題が代わりに出されます。

先生
先生
これらはいずれも確実に得点できるようにしておきましょう。

古典・漢文の文章は決して簡単ではありませんが、ヒントとして「資料」「前説明」「感想文」などが掲載されています。

古典の読解に困った場合はこれらのヒントに目を通し大意を掴む事が先決です。

大問5:条件作文(配点10点)

難易度標準
時間配分6分
目安点数8点以上/10点

条件作文の傾向

大問5では資料付きの条件作文が出題されます。

内訳は条件作文6点、記号問題4点です。

条件作文は81字以上120字以内で統一されています。記号問題は提示された資料について問う問題がよく出題されます。

条件作文の対策

大分県立入試の条件作文は「条件」がかなり多く出題されます。

「全体を三文で構成すること」「です・ます調にすること」「数値は以下の通りに記載すること」など細かい設定がされています。

条件作文を通す前は必ずこれらの条件に目を通し、記載後も抜け漏れがないか確認しておきましょう。

恐らく条件作文は減点法でチェックされるため、条件違反での原点は禁物です。

大分県立入試【国語】に向けて絶対するべき3つのこと

  • 古典・漢文の問題演習
  • 記述の添削
  • 過去問演習

大分県立入試で最も差がつきやすいと考えられるのは「古典・漢文」と「記述」です。

「古典・漢文」は問題難易度が高く、「記述」は配点がそもそも高いからです。

中でも自学で取り組めるのは「古典・漢文」です。

論説文や小説文は問題の相性がありますが、「古典・漢文」に関しては演習量に比例して力を付ける事ができます。